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Honda AS-250 (ホンダ S360/Honda S360/ホンダ スポーツ360/Honda Sports360)

 

 
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ここで紹介するのはスポーツ360のセカンドバージョン以降のプロトタイプ、「AS-250」です。
残念なことに『技研に於ける4輪開発の経過』(芸文社 Nostalgic Hero Vol,88に掲載)には、AS-250に関する記述はあまりないため、このページの大部分は他の資料を参考にして作成しています。
 


〔開発目標〕
・鋼板ボディの採用
・性能、機能、スタイリングをより洗練されたものにする
・第9回全日本自動車ショーへの出展
 
※以上はあくまでも私の推測。正確な情報をご存知の方がいらっしゃいましたら、ぜひご教示下さい。
 
〔車輛の種別〕   
・軽自動車(軽規格のスポーツカー) 
 
〔設計員〕
○資料がないので正確なところは判らないが、TAS-260と同じメンバー(↓)が設計を担当したと考えるのが妥当ではないだろうか。
 
・プロジェクトリーダー/レイアウト  …中村 良夫
・エンジン               …久米 是志 /森幸照/新村公男
・トランスミッション          …栗原清または久米 是志 もしくは 中村 良夫
・シャシー、ボディの責任者    …森 潔
・サブフレームまわり        …永友 真
・ボディ全体             …中島 源雄
・前輪まわり             …岡田 元浩
・後輪まわり             …森 潔 / 吉岡伴明 / 佐野彰一
 (※ 他に神山幹弘も足回りの担当だった。)
・エクステリアデザイン        …河村 雅夫
・インテリアデザイン         …森 泰助 / 河村雅夫
・艤装                  …萩原秀邦

●参考資料「ノスタルジックヒーロー Vol,48 」(芸文社)
●参考資料 「HONDA SPORTS S360〜S800M」 (三樹書房)
●参考サイト http://www.honda.co.jp/50years-history/pdf/p076-082.pdf
●参考サイト 伝兵衛の部屋
 
〔車体の概要〕
○シャシー・フレーム関係

・2シーター… 軽自動車で4人乗りは無理なため、思いきって2人乗りとして限られたスペースをフルに使っている。
・トランク… リアのトレーリングアームの間にスペアタイヤを格納して、小さいながらも効果的なトランクスペースを設けている。
・ブレーキ… 大径の軽合金ドラムを使い自己サーボ性の少ない最も安定した、リーディングトレーリング形式で、連続100km/hの急制動でも、連続登坂でもフェードを起こさない。また、シューには独立のセルフアジャスト装置を設けておりブレーキ調整の必要がない。
・ステアリング… 摩耗の少ないラックステアリング形式のステアリングギアに、慣性の少ないアルミスポーク・木製リムのステアリングホイールを組み合わせている。
・懸架装置… 高速ドライブを可能にするため、ホイールベースを車長一杯にとり、重心を可能な限り低くして、前輪にはウィッシュボーンにスタビライザーを配し、後輪は軽量なアルミケースをトレーリングアームに使い、チェーンドライブ形式として無理な伝導トルクによる変形を防いでいる。
・ビルトインアンテナ… サンバイザーそのものがアンテナになっている。
・セーフティベルト… セーフティベルトを標準装備している。
・ヘッドライト… 7インチのシールドビームを使用。また、フロントの空気の流れを整流するためカバーを設けている。

○エンジン関係

・水冷4気筒エンジン… 振動が少なくて静かな4シリンダーを採用。高回転域で熱的に安定した水冷形式とした。
・キャブレター…
 
世界的に類のない独立ポートコンパウンド負圧サーボ型4キャブレターを採用。セコンダリーバルブを負圧サーボ型としている。
・ニードルローラーベアリング… メタルを全く使用しないオールローラーベアリング形式。
・エアクリーナー… 濾紙式のエアフィルターに、さらにサイクロン式エアフィルターを併用することにより耐久力を倍加している。
・トランスミッション… 各部にトロコイドポンプによる圧送給油を行っており、安定した高速回転と耐久性を確保している。
・クラッチ… 高速回転でアンバランスのないダイヤフラム型クラッチを採用。

○ボディ …全鋼製のオープンボディ。 

 「諸元表」


● 寸法

全長         2,990mm
全幅         1,295mm
全         1,146mm
ホイールベース   2,000mm
最低地上高      160mm
 

● 重量

車輛重量       510kg
乗車定員        2名
 

● 性能

最高速度      120km/h
登坂能力       1/5
最小回転半径   4,200mm
 

 

● エンジン

エンジン型式      水冷直列4気筒4サイクルDOHC形式
ボア×ストローク     49×47mm
総排気量            356cc
圧縮比             9.5
最大出力         33PS/9,000rpm
最大トルク         2.7m-kg/7,000rpm
燃料タンク容量        25L
バッテリー         12V 35AH

● 走行伝導装置

クラッチ          乾燥単板(ダイヤフラム形式)
変速機           前進4段(2.3.4.シンクロ)後進1段
               (オプショナル前進5段 2.3.4.5.シンクロ)
ステアリング形式    ラック・ピニオン式
ステアリング歯車比   1:14
ブレーキ形式      リーディングトレーリング形式油圧ドラムブレーキ
フロント支持方式     ウィッシュボーン・トーションバー
リア支持方式       トレーリングアーム・コイルスプリング
タイヤサイズ 前     5.20-12-2PR
タイヤサイズ 後     5.20-12-2PR

   (クリックで拡大表示)
    〔AS-250(点線)の二面図:ホンダの社内報 FLYING 32 P59より引用〕
 
○車体の外観

Honda S360 Honda Sports360 ホンダS360 ホンダスポーツ360

(フロント)

(リア) 

(サイド)

(コクピット)
(モーターマガジン1962年12月号 P44より引用/クリックで拡大表示)

    
     (ベアシャシー/ネコパブリッシング HONDA SPORTS P83より引用/クリックで拡大表示)

●車体の特徴について、Honda Sports360(スポーツ360/S360)に関する研究・考察にページをもうけて解説していますので、参考にして下さい。

〔製作台数〕
○1962年型 AS-250 
・完成車 … 2台 
(内訳は、第9回全日本自動車ショーに出展された車体色がシルバーの個体が1台と、1962年11月に荒川のテストコースで行われたプレス向けの試乗会で試乗に供された車体色が赤の個体が1台。上のモーターマガジン誌から引用した写真に写っているのがショー出展車で、下掲の画像が試乗車。)


(モーターファン 1963年3月臨時増刊 より引用/クリックで拡大表示)
○1963年型 AS-250
・完成車 …8台。(半完成車5台、W.Assy5台) ※参考資料 『別冊CG ホンダ・スポーツ』 二玄社
(現時点では、63年型AS-250の姿を確認できる資料は見つかっていないが、現存するSports360の部品には’62年型AS-250にはない特徴があることと、同じく現存するSports360の部品に’63年製であることを記したラベルが確認できること、それと浜松製作所で生産された車を記録した台帳『機種別生産実績』に’63年4月〜6月の間にSports360が生産された記録が残っていることから、’63年型AS-250が存在したことは間違いない。)

〔開発の経緯〕
・AS-250の開発が始まった正確な時期は判らないが、2XAK-250と同様に、恐らく1962年6月5日に催された第11回全国ホンダ会が終わったあと、あるいは早くてもTAS-260の設計図ができあがった3月初旬から4月末以降と思われる。
・突貫作業で開発・組み立てが行われたAS-250は、シルバーの個体が1962年10月に開催された第9回全日本自動車ショーに出展され、ショーが終了した直後に荒川のテストコースで行われたプレス向け試乗会では、ショーには出展されなかった赤の個体が試乗車として使用された。
・1963年3月に日光で寒冷地テストが行われ、この時はシルバーの個体がテスト車として使用された。
・ホンダに残されている資料に拠れば、1963年4月に2台、5月に2台、6月に4台のAS-250が浜松製作所で製作されたようだ。
・1963年8月14日に荒川のテストコースで行われたスポーツ500のプレス向け試乗会に、AS-250も参考車として用意されたが、この時すでにAS-250を販売しないことが決まっていた。



○次回はS500のプロトタイプ、「AS-280」を紹介します。


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