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Honda Sports500 (Honda AS-280)

 

 
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ここで紹介するのはS500のプロトタイプ、「スポーツ500」です。(AS-280と表記しないのは、S50の量産モデルとの混同を避けるためです)
残念なことに『技研に於ける4輪開発の経過』(芸文社 Nostalgic Hero Vol,88に掲載)には、スポーツ500に関する記述があまりないため、このページの大部分は他の資料を参考にして作成しています。
それと、スポーツ500には「排気量 492cc、全長 3,195×全幅1,295mm」のものと「排気量 531cc 、全長 3,300×全幅1,430mm」のものがあり、このサイトでは前者を’62年型スポーツ500、後者を’63年型スポーツ500と表記しますので、予めご承知おき下さい。
 

〔開発目標〕
・TAS-260の排気量アップ、及びボディサイズの拡大
第9回全日本自動車ショーへの出展
 
※以上はあくまでも私の推測。正確な情報をご存知の方がいらっしゃいましたら、ぜひご教示下さい。
 
〔車輛の種別〕   
・ 小型車(小型車枠のオープンスポーツ)
 
〔設計員〕
○資料がないので正確なところは判らないが、ホンダ会の直後に製作を指示され、ホンダ会のおよそ半年後に開催された第9回全日本自動車ショーに出展するためにAS-250と併行して急造された’62年型スポーツ500に関しては、、TAS-260AS-250と同じメンバー(↓)が設計を担当したと考えるのが妥当ではないだろうか?
’63年型スポーツ500を設計した設計員については現在調査中。
 
・プロジェクトリーダー/レイアウト  …中村 良夫
・エンジン               …久米 是志 /森幸照/新村公男
・トランスミッション          …栗原清または久米 是志 もしくは 中村 良夫
・シャシー、ボディの責任者    …森 潔
・サブフレームまわり        …永友 真
・ボディ全体             …中島 源雄
・前輪まわり             …岡田 元浩
・後輪まわり             …森 潔 / 吉岡伴明 / 佐野彰一
 (※ 他に神山幹弘も足回りの担当だった。)
・エクステリアデザイン        …河村 雅夫
・インテリアデザイン         …森 泰助 / 河村雅夫
・艤装                  …萩原秀邦

●参考資料「ノスタルジックヒーロー Vol,48 」(芸文社)
●参考資料 「HONDA SPORTS S360〜S800M」 (三樹書房)
●参考サイト http://www.honda.co.jp/50years-history/pdf/p076-082.pdf
 
〔’62年型スポーツ500の車体の概要〕
○シャシー・フレーム関係

・2シーター …
 
限られたスペースをフルに使って、低床で外人にも充分なレッグルーム等思いきったスポーツカーの特性を持っている。
・トランク …
 
リアのトレーリングアームの間にスペアタイヤを格納して、小さいながらも効果的なトランクスペースを設けている。
・ブレーキ …
 
 
大径の軽合金ドラムを使い自己サーボ性の少ない最も安定した、リーディングトレーリング形式で、連続100km/hの急制動でも、連続登坂でもフェードを起こさない。また、シューには独立のセルフアジャスト装置を設けておりブレーキ調整の必要がない。
・ステアリング …
 
摩耗の少ないラックステアリング形式のステアリングギアに、慣性の少ないアルミスポーク・木製リムのステアリングホイールを組み合わせている。
・懸架装置 …

 

高速ドライブを可能にするため、ホイールベースを車長一杯にとり、重心を可能な限り低くして、前輪にはウィッシュボーンにスタビライザーを配し、後輪は軽量なアルミケースをトレーリングアームに使い、チェーンドライブ形式として無理な伝導トルクによる変形を防いでいる。
・ビルトインアンテナ… サンバイザーそのものがアンテナになっている。
・セーフティベルト … セーフティベルトを標準装備している。
・ヘッドライト … 7インチのシールドビームを使用。また、フロントの空気の流れを整流するためカバーを設けている。
・ボディライン …
 
スタイリングはすべて徹底的な風洞テストを繰り返して完成させた。また、車輪によるよる埃の巻き上げ、巻き込み等僅かなカットにも気流テストがなされて形状が決められた。

○エンジン関係

・水冷4気筒エンジン… 振動が少なくて静かな4シリンダーを採用。高回転域で熱的に安定した水冷形式とした。
・キャブレター…
 
世界的に類のない独立ポートコンパウンド負圧サーボ型4キャブレターを採用。セコンダリーバルブを負圧サーボ型としている。
・ニードルローラーベアリング… メタルを全く使用しないオールローラーベアリング形式。
・エアクリーナー… 濾紙式のエアフィルターに、さらにサイクロン式エアフィルターを併用することにより耐久力を倍加している。
・トランスミッション… 各部にトロコイドポンプによる圧送給油を行っており、安定した高速回転と耐久性を確保している。
・クラッチ… 高速回転でアンバランスのないダイヤフラム型クラッチを採用。

○ボディ …全鋼製のオープンボディ。 

 「第9回全日本自動車ショー出展車(’62年型スポーツ500)の諸元表」


● 寸法

全長         3,1950mm
全幅         1,295mm
全         1,146mm
ホイールベース   2,000mm
最低地上高      160mm
 

● 重量

車輛重量       530kg
乗車定員        2名
 

● 性能

最高速度      130km/h
登坂能力       1/5
最小回転半径   4,200mm
 

 

● エンジン

エンジン型式      水冷直列4気筒4サイクルDOHC形式
ボア×ストローク     52×58mm
総排気量            492cc
圧縮比             9.5
最大出力         40PS/8,000rpm
最大トルク         3.8m-kg/6,000rpm
燃料タンク容量        25L
バッテリー         12V 35AH

● 走行伝導装置

クラッチ          乾燥単板(ダイヤフラム形式)
変速機           前進4段(2.3.4.シンクロ)後進1段
               (オプショナル前進5段 2.3.4.5.シンクロ)
ステアリング形式    ラック・ピニオン式
ステアリング歯車比   1:14
ブレーキ形式      リーディングトレーリング形式油圧ドラムブレーキ
フロント支持方式     ウィッシュボーン・トーションバー
リア支持方式       トレーリングアーム・コイルスプリング
タイヤサイズ 前     5.20-12-2PR
タイヤサイズ 後     5.20-12-2PR

’62年型スポーツ500実線)の二面図
(ホンダの社内報 FLYING 32 P59より引用)

(クリックで拡大表示)
’62年型スポーツ500の外観
(モーターマガジン 1962年12月号 P45より引用)

(クリックで拡大表示)

〔’63年型スポーツ500の車体の概要〕
○エンジン関係
・水冷直列4気筒DOHC
・4キャブ可変ベンチュリー
・クランク、カムシャフトは全てニードルローラーベアリングを採用
・カムシャフトの駆動は単一ローラーチエン方式
・潤滑は濾紙フィルターと遠心フィルターを併用したフルフローの強制潤滑
・エアクリーナーはオイルバス式とろ紙式の併用
・ミッションは前進4段、後退1段で2.3.4速にシンクロメッシュを採用
・ミッションにも強制潤滑方式を採用

○補機関係
・ラヂエターはフィンチューブ型を採用
・ジェネレーターは交流式に12V-250Wを採用
・バッテリーは12V-35AHを採用
・燃料タンクは25L容量のものをトランクフロア上面に装着
・計器類にはエンジン回転計を装備する

○シャシー関係
・フロントサスペンションはトーションバー使用によるウィッシュボーンタイプを採用
・リアサスペンションはチエイン駆動によるトレーリング型式を採用
・ステアリング機構はラックアンドピニオン型式とし、コラム前端部に自在接手を設ける
・制動方式は四輪油圧リーディング・トレーリング・シューのドラム型式を採用
・フレームは箱形断面による溶接構造を基本とし、サスペンションメンバーを一体構造とする
・ステアリングホイールは木型リムを有し、クロスバーをジュラルミン板とする

○ボディー関係
・ボディ構造は全鋼製2ドアオープン型式
・2座席バケットシート型式
・リアウインドーは樹脂製とし、ドアガラスはレギュレーター式を採用
・スペアタイヤ、ジャッキ、工具は後部トランク内に格納する
・セーフティベルト装着用アンカーを車体に設置しセーフティベルトを装備する。セーフティベルトは運転席用、助手席用ともラップ型式を採用
・ジャッキはシャシーフレームアウトリンガー部を持ち上げる型式

「’63年8月に行われたプレス向け試乗会の試乗車(’63年型スポーツ500)の諸元表」


● 寸法

全長        3,300mm
全幅        1,430mm
全高        1,200mm
ホイールベース  2,000mm
トレッド 前/後   1,150/1,128mm
最低地上高    160mm
最小回転半径   4.3m
 
 

● 重量

車重        675kg
乗車定員      2名
 
 

● 性能

最高速度     130km/h
登坂能力     0.27sinθ
定地燃費(40km/h) 22km/L
制動距離(50km/h) 12m
 


● エンジン

エンジン      水冷直列4気筒DOHC
ボア×ストローク 54×58mm
排気量       531cc
圧縮比         9.5
最高出力     47HP/8,500rpm
最大トルク    4.6mkg/4,500rpm

● 走行伝導装置

クラッチ       乾式単板/ダイヤフラムスプリング/165mm径
ギアボックス    4速 (2.3.4速シンクロ)3.40、2.15、1.49、1.00

ファイナルドライブ  第1減速 スパーギア 3.15
            第2減速 チェン 1.87
            オーバーオールギア比 5.89
タイヤ                  5.20-13 4P
シャシー・ボディ    ボックス断面梯子型フレーム/オープン2座ボディ
前輪懸架            独立型トーションバー・ウィッシュボーン、
            スタビライザー付き、筒型復動ダンパー
後輪懸架      独立式、コイル・ダンパーユニット、 
            トレーリングアーム、筒型単動ダンパー
ブレーキ       前後輪 リーディング・トレーリングシュー式
            アルフィンドラム、212mm径
ステアリング     ラック・アンド・ピニオン 減速比 15.1
 

63年型スポーツ500の四面図
(CAR GRAPHIC 1963年10月号 P78より引用)

(クリックで拡大表示)
63年型スポーツ500の外観
(CAR GRAPHIC 1963年10月号 P74より引用)

(クリックで拡大表示)

●’62年型と’63年型の相違点について、Honda Sports500(スポーツ500/S500)に関する研究・考察にページを設けて解説していますので、参考にして下さい。

〔製作台数〕
○’62年型スポーツ500
・完成車 … 2台 
・ベアシャシー …1台
以上は、第9回全日本自動車ショーに出展された台数。 
もしかしたらこれ以上の台数があったかもしれないが、開発・製作の期間が実質半年程度だったことと、AS-250も併行して開発・製作されていたことを考えると、当時のホンダの設備・人員ではこれ以上の台数を製作するのは困難だったのではないかと思う。

○’63年型スポーツ500
・正確な台数は不明。 
・数十台作られたという説がある。この中には、車体色が赤と白の2台の左ハンドル車も含まれていると思われる。

〔開発の経緯〕
『技研に於ける4輪開発の経過』(芸文社 Nostalgic Hero Vol,88に掲載)によると、TAS-260のサイズアップが指示されたのは第11回全国ホンダ会の直後との由。
設計提案はシャシー構成をAS-250と共用するため400ccまでのサイズアップだったが、ベースとなったTAS-260のエンジンが改修可能だった500ccギリギリまで拡大することが最終指示された。
(TAS-260、A-250、AS-280の開発スケジュールを併記すると↓こうなる)

ということで、’62年型スポーツ500のエンジンはTAS-260の拡大版であったことが『技研に於ける4輪開発の経過』から分かる。
ただ、TAS-260のエンジンは500ccまでしか拡大できなかったため、ボディサイズが変更され排気量も500cc以上(531cc)になった’63年型スポーツ500のエンジンは、あらたに設計し直された可能性が高い。
 
’63年型スポーツ500の開発がいつ頃から始まったのかは、今のところ判らない。
’62年11月にスポーツ360とスポーツ500のプレス向け試乗会が行われているので、おそらくその後くらいではないかと思うが、これはあくまでも私の推測で確たる証拠があるわけではない。
仮に’62年末から開発が始まっていたとしても、翌年の8月に行われた最終試作車を使ったプレス向け試乗会までには僅か8〜9ヶ月程度の期間しかなかった訳で、そうなると’63年型スポーツ500も、TAS-260XAK-250AS-2502XAK-250、’62年型スポーツ500と同様に突貫作業で仕上げられたことになる。
因みに、S500の価格当てクイズが新聞に掲載されたのは’63年6月16日で、8月に行われたプレス向け試乗会よりも2ヶ月も早い。
当時ホンダが如何に四輪車の生産実績を作ることを急いでいたかが、こんなところからも伺い知れる。

’63年型スポーツ500は細部の改修が続けられ、第10回全日本自動車ショー(1963.10/26〜11/10)への出展をもって発売開始とされた。
 



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