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Honda XA-170

 

 
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『技研に於ける4輪開発の経過』(芸文社 Nostalgic Hero Vol,88に掲載)に記された試作車の中から、まずはXA-170を紹介します。
XA-170を最初に紹介するのは、XA-170がホンダの記念すべき試作四輪第1号車だからで、以後、製作年代の古いものから時系列に沿って各試作車を紹介する予定です。
『技研に於ける4輪開発の経過』は文章のみで書かれているのですが、ここでは理解しやすいように内容を整理した上で箇条書きに改めています。
また、資料としての完成度を高めるため、別の資料を基に一部加筆(青色の文字の箇所)しています。



〔開発目標〕

○ 軽自動車の枠内で、4人乗車を主体とするもののバン形式として荷物も積載可能な形(62年型スズライトに近い形)とし、100km/hのスピードが出せること。
  そのため…
 
 ・3mの枠内で4人のスペースと荷物スペースをとるには、エンジンを前置きにし
    前輪駆動とするべきである。
 ・軽自動車の枠内で高速走行を可能とするためには操縦安定性が先決問題で有り、このことからも
  前輪駆動とするのが望ましい。
 ・想定重量480kgに対し100km/hのスピードを実現するためには、約24psのエンジン出力が必要であり
    (走行抵抗推察による計算馬力)、エンジン回転を7000rpmまで上げる必要がある。
 ・フロントエンジン、25ps/7000rpm、2キャブレター方式を具現化するには、クランクシャフト長などから
  60度V型4シリンダー空冷式が最適と判断する。
  

〔車輛の種別〕  
・軽自動車 (Kei car:前述のように4人乗り貨客兼用車を想定)
 

〔設計員〕
・中村良夫(レイアウト)、堀池三郎、栗原清、中島源雄、森潔、塚田虎雄
 
 ※ 車輛の組立及び走行テストも設計員が行う 
 

〔車体の概要〕
○ボディ・シャシー
 ・プラットフォーム方式のセミモノコック構造
 ・フェンダー、エンジンフードは鋼板を加工したもの
 ・幌を貼り合わせたルーフとドアを有する 
 ・ステアリングギアはラックアンドピニオン方式
 
○駆動系
 ・4速ギアボックス
 ・ダブルユニバーサルジョイントで前輪を駆動
  
○足廻り
 ・フロント、リア共にダブルウィッシュボーン形式
 ・タイヤ 3.50J-12 、4.50J-12
 
○エンジン
 ・排気量 360cc フロントオーバーハングに縦置き
 ・アルミ製 60度V型4シリンダー、強制空冷方式
 ・2スロー、2点支持、組立式クランク、先端転がり軸受け
 ・球形燃焼室
 ・チェーン駆動によるシングル・オーバーヘッドカム方式
 ・一体型降流式2連気化器


XA-170のエンジン構成が確認できる写真(二玄社 別冊CG ホンダ・スポーツ P17より引用)


XA-170のエンジン搭載位置が確認できる写真 (芸文社 Nostalgic Hero Vol,88 P75より引用)

※ この画像は、著作権法第32条の規定に基づき「批評・研究のための引用」を行ったものです。
著作権者の許諾を得たものではありませんので、著作権法の例外を除き、複製、アップロード、頒布などは厳禁とします。   

〔開発の経緯〕

1958年5月     レイアウト開始(中村良夫)
     6月1日  設計員配属される?
         8月初旬  懸架装置を含めた全面図を出図(この中にはポリエステルボディも含まれる)
      9月    埼玉県白子の研究所内に第3研究課(四輪車の設計から走行テストまでを行う部署)が発足する
     9月末  エンジンの組立完了
    10月初め  ベンチ発火運転を行い24ps/7000rpmの出力を得る 
          (ベンチテストは数日で打ち切られ、チューンナップすることなく車輛に搭載される)
    12月    設計員による組立に一月半の時間を要し、ようやくシャシー走行が行えるようになる
          
          車体完成後、フロント・サスペンション回りの剛性不足のため、若干の改修を施し
          数日の走行を行う。
1959年2月中旬 相模湖、大月、富士吉田、山中湖、御殿場、横浜を巡って白子の研究所に戻る
          長距離テストを行う。
           (ホンダが所有していたロイトLP400・スバル360・DKWも伴走車として参加する)
 
           ’58年末よりXA-190(軽スポーツ車)の企画が進められたため、春から夏にかけて
            3000kmの走行テストを終えた時点で開発が中止される 

〔製作台数〕
・エンジン2基、シャシー2台。
   

〔XA-170の問題点〕
・エンジン騒音過大(主に転がり主軸受けから発生)
・サスペンションを含めたシャシー関係の剛性不足
・等速ジョイント(CV Joint)でないための不円滑さ
・クラッチの弱さ
  

〔総評〕
・(上記のような問題点はあるものの)本質的には良い素性を持ち、バランスのとれた前輪駆動車だったであろうと思われる。
 

〔その他〕
・XA-170の開発を行っている間に、シンクロミッションの随試(随時試作)を行いテストした。



このXA-170は(中村良夫氏にとって)“積極的な野心作”であったが、「前輪駆動などクルマではない」という思想を持っていた本田宗一郎氏からは無視されていた形であった、と中村良夫氏は「HONDA SPORTS S360〜S800」(三樹書房)の中で述べている。
RR車やFR車が少数派になり、FF車が圧倒的多数を占めている現状を鑑みれば、本田宗一郎氏よりも中村良夫氏の方が先見の明があったと言えるのではないだろうか。
XA-170が完成した’58年末に軽スポーツ(XA-190)の試作が指示されたため、開発の主力はその後XA-190に移っていくことになる。
 


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